no title (2)

Ⅰ 趣旨

 ここではカンボジアでの経験を思い返すとともに、自身の法律についての、あるいはその背後にある考え方について数年間での変化を記しておきたい(←この点については別の記事でまとめることにする)。もっとも、ここで詳細に出来事を記録するのは、当初想定していたレポートの構想に反するため、大雑把に記録するにとどめ、no title(3)以下で、折に触れて経験と知識を関連付けていきたいと思う。

Ⅱ カンボジアでの経験(概要)

 まず、私がカンボジアへ行ったのは2016年の夏季休暇で、期間は2週間である。結果的にその内容は、①大学の見学、②裁判傍聴、③その他、といった感じとなった。

 最初に、カンボジアへ行くことになった背景について。

 これは、大学で行われた法整備支援に関するシンポジウムである、「アジアのための国際協力in法分野2016」に参加したことが契機となっている。特に、グランピアット行われた懇親会で実際に日本と繋がっている国に行ってみたいという気持ちが芽生えた覚えがある。

 カンボジアの王立法経大学(Royal University of Law and Economics)には、日本法教育センターがある。そこを訪れ、少しの間ではあったが学生と交流することができ、多方面で良い刺激を受けた。また、学生の一人が大学全体を案内してくれた。

 裁判傍聴は、始審裁判所と最高裁判所でする機会があった。最高裁での傍聴は、2人の学生に通訳してもらった。これはとても貴重な経験だったと思う。ちなみに、カンボジアへ行く前にコンテイリ准教授に裁判制度について尋ねた際には、抽象的かつまとまっていない質問にも関わらず親切に回答してくださった。

 そのほか、学生の一人の母校である高校に連れて行ってもらう機会があった。大学以外の教育現場に触れられたのは良い経験だった。

 2週間のうち数日間は、アンコール遺跡群を見に行ったり、屋台に行ったりと、観光をした。アンコールワットから見える日の出に間に合うようにとおばちゃんが運転するバイクタクシーの後ろに乗り猛スピードで駆け抜けたりといったことがあったがこのあたりは割愛する。

 上記の経験は、人との関わり、特に日本への留学生との関わりに端を発したものであったと感じる。お世話になった方々に深く感謝している。

Ⅲ 以上の経験と今後の学習について

 上記の経験は、理論面においても実践面においても何ら知識がない状態でのことである。しかしながら、この経験があったからこそ、現在、法整備支援や開発法学と日本での政策形成のプロセス等を関連付けて考察してみようという考えに至ることができたし、法整備支援についてや、特に開発法学について勉強を始める後押しにもなった。

 この経験を大切にし、これからの学習との関連付けの素材にするとともに、理論面の学習や経験に係る良い連鎖をもたらすことができればよいと考えている。

 no title (3)では、日本の法整備支援の特徴の一つといわれる「プロセス志向的な法整備支援」について考察したい。

 

                               明け方の大学にて