no title (1)

Ⅰ はじめに

 大学在学中から法整備支援に関心があった。また、その当初から法整備支援で用いられる理論や得られるノウハウを日本での政策立案や法改革にいかすことができたら、得たものを余すことなく活用でき効率的な活動になるのではないかと感じていた。そして現在では自身がこれから企画の立案やディスカッションにおける思考方法の一方法論として取り入れることができたら、法学という専門において個性を見いだせるのではないかと感じている。

 数年前、実際に大学在学中にカンボジアへ行き、裁判所や行政機関、JICAの現地事務所、そして王立法経大学(Royal University of Law and Economics)の日本法教育センターを見学させていただいた。特に裁判所での裁判傍聴はとても良い経験になった。クメール語の通訳をしてくれた王立法経大学の学生にはとても感謝している。

 私がカンボジアで行ったのは2016年の夏である。なぜ、今頃になってこのような備忘録を残そうと思ったか。それは私のこれからのキャリアに影響すると考えたからである。具体的には、国家総合職への道や民間企業への道いずれにおいても、とても有益な経験及びこれからの学習に寄与すると感じた。国家公務員総合職は政策の企画及び立案を主たる業務内容としている。この点について、法整備支援及び法整備支援についての学習がどのように関係するのか、これが私がもっとも関心を抱いている点であり、これからここに学習の備忘録として記録したいことである。また、民間企業においても企画の立案や実践は不可欠な業務の要素であると思う。したがって、私が国家公務員総合職の試験に落ちたとしても、この点においては大した問題ではない。

 上記から明らかなように、これはもとより論文といえるものではない。ギリギリレポートといったところだろう。私はこのギリギリレポートを制作しながら、そして振り返

りながら今後のキャリア形成に役立てたいと考えている。

 まずは、「no title (2)」でカンボジアでの経験を思い返してみようと思う。

 

Ⅱ 補足-法整備支援と開発法学について

 学部生の頃に考えていた前述の理論は、「開発法学」というらしい。これまで、法整備支援は実践面、法整備支援論は理論面、開発法学というのは両者を合わせた学問であるという認識でいた。しかしながら、法整備支援と開発法学が実践面と理論面の組み合わせだという(松尾弘著「開発法学の基礎理論-良い統治のための法律学」参照)。そして、開発法学の中でも法整備支援という実践面に重きを置いたものが法整備支援論と呼ばれることがある、という認識でいる。

 これから、松尾教授の先に挙げた書籍や「書斎の窓」2019年7月号以降の連載を読みながら少しずつ考えていきたい。

 

                                深夜の大学にて